香水は匂いがきついから苦手、という方も多いと思います。そんな方におすすめしたいのが今回紹介する「塗香」です。塗香（ずこう）はお香の一種ですが、天然香木が原料となっている滑らかで粒子の細かい粉末のお香です。日常使いする場合は三つまみを手の平ですり合わせて腕から肩にかけて直接すりこむように使います。

ミャンマーでは「タナカ」と言われるある種の木粉を頬に塗り日焼け止めとして用いられています。お金持ちの人は白檀を塗っているそうです。日本では次第に仏教で取り入れられ、お寺では心身を浄化する目的で密教系のお坊さんが常用します。読経や写経をする前にや外で手を洗えない時に手につけます。

古書を見ると五分法身（ごぶほっしん）というフレーズが多く登場し、これはすなわち「五大：地・水・火・風・空」の五行であるとされ五大すなわち五指であることから、これを浄化することにより五大すなわち五分法身を表すと記されています。

また塗香の功徳として「塗香を身に塗れば生死煩悩を離れ、不浄を除き清浄たる身となって諸仏との契約員を結ぶ、これによって塗香を用いるなり」と記されています。

近年の寺社巡りブームや精神的な平穏を求める傾向から以前にも増して塗香に注目が集まっています。市場には使いやすい事項も多く登場し、ペン型、バフ型など一般の人を対象にしたカジュアルな塗香も登場しています。

それに伴い様々な合成香料を配合した塗香も登場しています。「香料」については十分な注意が必要です。

最近ではテレビで芸能人の愛用品として紹介されたのをきっかけに若い人の間でも生活に取り入れられるようになってきました。香りはもちろん浄化や癒しを目的として、体や髪、アロマの代用、お風呂に入れたりと、色々な使い方ができるのが塗香の魅力です。