~不登校には不登校の理由があり、不登校の需要がある~
私はこれまで子育てと仕事を通じて、不登校や多様な教育の現場を体験し、学びんできまし
た。多様な教育機会を必要とする家族にお話を聞く機会が数多くありました。
「子育て中の家族が直面する困難を、短い時間の中で、客観的に整理して伝えるにはどうしたら
いいかなぁ」
と、頭を捻りまくって生まれたのが、本書でご紹介する
不登校の理由と需要を読み解くレーダーチャート
「多様な教育機会を必要とする家族とその背景」
です。
まずお伝えしたいのが、本書のサブタイトルについてです。
「不登校の理由と需要」
と聞いて、「需要?誰の?何の?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
一般的に不登校は「需要」ではなく「問題」として捉えられています。
登校拒否から不登校へと呼び方が代わって久しくなりますが、今でも不登校は需要ではなく問題であり、特定の誰か、そ
して特定の家族の課題として扱われることが多いようです。
実際には、不登校には不登校の理由があり、不登校の需要があり、不登校が継続することに
よって生まれる需要があります。
しかしながら日本社会の意識は、不登校という現象が持つ需要
について考えたり応えたりしようというところには長年なかったのです。
課題の大きさに圧倒されてしまいます。
草の根の活動は長年続けられてきました。
いよいよ社会の、意識的な進化が必要だと感じています。
そしてそれは、もう始まっていると思うのです。
本書でご紹介するのは、子育てや教育を取り巻く様々な要素を、レーダーチャートの形で表したものです。
【A3ポスター】(クリックすると拡大します)
「そうだんと話し合いの輪を広げよう」は、
私が子どもの頃から親しんでいる言葉で、このレーダーチャートを生み出す原点になっているように思います。
この本がお子さんの教育機会に困難を感じている保護者の方や、教育現場で尽力されている先生方、相談機関やボランティアの支援者の方の課題整理と話し合いのきっかけ作りに役立てていただけることが出来たら幸いです。
きむらゆき
【推薦文】
こどものしあわせ.JPデジタルマーケティングスタッフ
野津 美絵
きむらゆきさんの活動にご縁をいただいたのは、ゆきさんがサドベリースクールの立ち上げスタッフとして培った体験と知識を必要な方に伝えるために動画を作りたいとご依頼いただいた時からになります。
以下、ゆきさんの体験と知識を元にまとめられた動画になります。
【きむらゆきさんの子育て教育関係動画一覧】
日本で教育を選択する時に、知っておいて欲しいこと~その1~
https://www.youtube.com/watch?v=Fri-k6lD4Mk
日本で教育を選択する時に、知っておいて欲しいこと~その2~
https://www.youtube.com/watch?v=1or7dhq-iog&t=0s
日本で教育を選択する時に、知っておいて欲しいこと~その3~
https://www.youtube.com/watch?v=RHgBw1ODrxw&t=0s
日本で教育を選択する時に、知っておいて欲しいこと~その4~
https://www.youtube.com/watch?v=4On163bcVIM&t=0s
日本で教育を選択する時に、知っておいて欲しいこと~その5~
https://www.youtube.com/watch?v=hQIdJdBQSNQ&t=0s
ゲーム考~その1~ゲームは是か?非か?以前のお話
https://www.youtube.com/watch?v=EusAZowCYCU&t=0s
ゲーム考~その2~子どもと話し合って決めた11のルール
https://www.youtube.com/watch?v=eXEtFvx-Hxs&t=0s
ゲーム考~その3~子どもを尊重すると浮かび上がる抑圧されていた好奇心
https://www.youtube.com/watch?v=VMYn7qyMgHc&t=0s
ゲーム考~その4~ 脳機能と依存症
https://www.youtube.com/watch?v=NJaPEv61JoM&t=0s
動画制作に当たり、
ゆきさんがご自身の四人のお子さんの教育にあたり、ホームスクーリングや、フリースクールなどを試みたことをお聞きし、その体験の豊富さに驚きました。
そして、社会課題に対して常に本質はどこにあるのか?を模索し、社会をより良くしたいという強い情熱を感じました。
ゆきさんはまさに「そうだんと話し合いの輪を広げよう」という意識で活動をし続けられています。
決して「私が正しいからその通りにして」というものではなく、話し合いのきっかけとしての問題提起と、プランを提供し、そこから関わる人たちが円卓につけるようにという願いを持っているのです。
人一人の情熱で社会は動きません。
しかし、人一人の情熱をきっかけに同じビジョンを思い描く人々が、子どもたちにより良い未来の道筋へと手を携えながら波紋を広げることは可能だと思います。
私自身はかつて、アドラー心理学をベースにした親子関係のための勇気づけ講座を開講していたり、地元の不登校の親の会の事務局や、厚労省の委託事業サポステの就労支援員として勤務していた経験があります。
子どもが社会に出るまでの多種多様な課題を見聞きしてきました。
不登校のお子さんたちの心もとなさや、就職したいのに出来ずにいる若者の苦悩に実際に触れてきました。
そうした体験から、ゆきさんがまとめた
~たよまなレーダーチャート~多様な教育機会を必要とする家族とその背景
が、子どもたちの未来への可能性をより良いものにしたいと願う、保護者や関係者の方々に届き、理解し、話し合いのきっかけが生まれることを念願しています。